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花京泉ケ連人件 拾壱式


虫の音 空へ昇る 夏の終わり 明るい夜
数百メートル手前 車を降りる
砂利道 音を立てないよう
注意を払い街灯を避け影を踏む
汗ばむ首は気温 のせい だけでなく
何も知らない 羽虫が貼り付く
古い湯屋 玄関の灯り
今日 この時 誰も居ない事は確か
木と硝子 扉 静かに横に押し
靴は履いたまま 階段横 なぎさの間
襖 静かに数センチ開ける
生臭く 甘く 噎せるような匂いが漏れる
細く 左右に覗く 一つ奥の窓明かりの中
艶黒い花瓶 刺さった 二輪の花
片方は 探していた美しい花
もう一方も ある意味探していた醜い花
その時 私はいやに冷静だった
花鋏を構え 男の首をポロリと
刃 付いた血 拭う いつからか
女がじっと私の目を見ていた
自分が見入っているのに 
気付いたのは 数秒後
そして そして
憎き美しい花よ いざ サヨウナラ
また会いましょう 会えることなら
どんな色の花だろうと血は赤い
窓を開け空を見れば 蠍と天秤が綺麗に